自動車の用語集
「さ」から始まる車の用語
- サーモスタット
エンジンの冷却系統は、そのままの状態だと常にエンジン冷却をしてしまうが、エンジンが冷えている時は冷却水の循環を止め、適当な温度になった時に冷却水を流す調整をする自動バルブがサーモスタットである。
- 最終減速比
デフ(ファイナルドライブギヤ)の減速比のことで、ファイナルギヤレシオともいう。エンジンの回転は減速することで回転数は落ちるが力は強くなる。通常減速はトランスミッションで4.0倍~0.6倍くらいの範囲で行うが、これではまだ減速不足なので、デフ(ファイナルドライブ)で3~4倍に減速される。このデフによる減速比を最終減速比という。トランスミッションの減速比と最終減速比を掛けたものが総減速比(オーバーオール ギヤレシオ)で、エンジン回転とタイヤの回転の比率である。
- 最小回転半径
ステアリング(ハンドル)を一杯に切った状態で、前輪外側のタイヤの中心が回る最小半径のこと。この値が小さいほど小回りがきき運転しやすい。
- 最大トルク
エンジンの回転力の最も強いときの力のこと。
- 最低地上高
路面と車の最低部との隙間の大きさ。これが大きいほど凹凸路面でも車体を擦ることは少なくなるが、安定性は悪くなる。
- サイドエアバッグ
側面衝突から乗員を守るために装着されているエアバッグで、ドアの内側で膨らんで乗員の頭を守る働きをする。
- サイドブレーキ
パーキングブレーキの別称。車を長時間止めておく時に使うブレーキで、運転中に使う主ブレーキとは独立した回路を持っている。手動式のものが多いのでハンドブレーキなどと呼ばれることもある。主ブレーキは油圧で全車輪に作動するが、パーキングブレーキは前輪または後輪の2輪のみに、ワイヤーやリンケージによって機械的に作用し、主ブレーキが故障した場合にバックアップすることも重要な役目である。
- サスペンション(懸架装置)
路面からの衝撃を直接ボディや乗員に伝えないように保護するもので、同時に車の操縦性・安定性に大きな影響を与える部分。タイヤ・ホイールも含めて「足まわり」という言い方もする。
- サスペンションアーム
ホイールの動きをコントロールする腕(アーム)の働きをする部品で、コントロールアームとも呼ばれる。上下で一対になったアームでは、上側をアッパーアーム、下側をロアアームと呼んで区別している。
- サブメーター
コンビネーションメーターの中に組み込めないメーター類を、別途配置したものを総称してサブメーターと呼んでいる。スポーツタイプの車に多く見られ、油温計・電流計・電圧計などが付けられる。
- サンバイザー
運転席及び助手席のルーフ前方に装着された日よけパネルのこと。朝夕の直射日光を防いで視界を確保するために装着されており、普段はルーフに格納されている。
- サンルーフ
サンルーフとは、自動車の屋根に装着された開閉できる天窓のこと。
「し」から始まる車の用語
- シーケンシャルシフト
シーケンシャルシフトとは、セミオートマの別称で、ハンドルに取り付けたボタン操作で、シフトUP、DOWNをマニュアルの様に行うことができる。
- シーケンシャルツインターボ
2基のターボチャージャーを並べ、排気ガスの少ない低回転域では1基のみで過給して小さな回転部分の慣性モーメントで過給効率を上げ、高回転域では2基をフルに稼動させて高過給圧を得るもの。
- 自動車NOx・PM法
自動車NOx・PM法とは、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」の略称であり、自動車の排出ガスによる環境破壊を抑制するために、ディーゼル車やバス・トラックなどを対象に対策地域内での使用を規制したもの。
- 自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の新車登録や車検を受ける時に課せられる国税。
税額は車重や用途などにより定められている。- 自動車税
自動車税とは、自動車(軽自動車を除く)の所有に対して課せられる都道府県税。
毎年4月1日現在の所有者に当年度分が課税され、5月末までに納税する。
なお、納税後に譲渡や廃車、他府県転出などになった場合は、月割計算で還付される。
税額は排気量や車重などにより定められている。- シフトストローク
MTのシフトレバーが、ニュートラルの位置から完全にギヤの入った状態になる位置までの距離。この距離の長いものをロングストローク、短いものをショートストロークと呼ぶ。
- シフトノブ
シフトレバーの先端に取り付けられた手で握る部分。
- シフトレバー
運転席からギヤチェンジ(変速)を行うための操作レバー。床から延びているものをフロアシフト、ハンドルのわきに付いているものをコラムシフトと呼んでいる。シフトレバーを決められた位置に入れることで、そのギヤが選択される。
- 車検
車検とは自動車検査の略で、車の外観や各種状態が安全な運行に問題ないかチェックする法定検査。
日本では251cc以上のバイクと自動車全般に義務付けられており、これに合格すると1年または2年、公道での使用が許可される。- 車検証
車検証とは、自動車検査証の略。自動車(排気量251cc以上のバイクを含む)が保安基準に適合することを証明する書類。
車両のメーカー、車名、車両型式、年式、寸法、重量、乗車定員などが記載されており、自動車を公道で運行する際には、有効な車検証と自賠責の保険証を携帯することが義務づけられている。- 車高調
車高調とは、車高調整式サスペンションの略称で、車高の微調整が可能なサスペンションの事。
- 集中ドアロック
全ドアの施錠・解錠が運転席側の操作できるシステムのこと。
- ショートストロークシフト
ショートストロークシフトとは、マニュアル車のシフトレバーで、シフトを入れるときのストロークを短くしたチューニングパーツで素早いシフト操作を可能とするもの。
- 触媒
触媒とは、マフラー内の部品で、エンジンとメインマフラーとの間にあり、排気ガス中に含まれる有毒物質をそれぞれCO2・H2O・N2に浄化する作用がある。
- ショックアブソーバー
別名ダンパー。ダンパーは車輪と車体の間に配置された"動き"に対するブレーキ(抵抗)の役目をするもので、スプリングが伸縮するとその動きを止めようとする力を働かせる。
- シリンダー
シリンダーとは、エンジン内部のピストンを収容する金属製の円筒のこと。
- シリンダーブロック
シリンダーを持つエンジンの本体となる部分。シリンダーは筒を意味する。全てのエンジン部品はこのブロックに組み付けられる。また、この部分でエンジンは車体に取り付けられている。
- シリンダーヘッド
シリンダーに上からふたをするようになる部分をヘッドという。この部分には、燃焼室・吸排気系・カム・バルブシステム・プラグなど、エンジン性能を大きく左右する主要部品が集められている。
「す」から始まる車の用語
- 水温計
ラジエターの冷却水の温度を表示する計器。サーミスタと呼ばれる半導体素子を使って測定されている。
- 水素エンジン
従来のガソリンの変わりに水素を燃料としたエンジン。
水素は燃やしても水蒸気になるだけで、地球温暖化につながる二酸化炭素や一酸化炭素、炭化水素などの有害物質を発生しない。しかも元素としては地球上に無尽蔵にある。- 水平対向エンジン
複数のピストンがクランクシャフトを中心に水平に対向しているエンジンのことを水平対向エンジンと言う。また、ピストンの動きがボクサーのパンチのように見えることからボクサーエンジンとも呼ばれる。
- 水冷エンジン
エンジンは燃焼によって高熱を発生するが、連続して運転するためには走りながら冷却しなければならない。水冷エンジンは、ブロック・ヘッドの内部に水路を通して、そこに水を循環させることでエンジンの熱を吸収し、ラジエターで冷やして100℃以下に保つ。
- スーパーチャージャー
スーパーチャージャーとは、エンジンに空気を送り込んでパワーアップさせる過給機のこと。エンジンの動力をベルトでコンプレッサーを回し、吸入した空気を圧縮してエンジンに供給する。低回転域で過給できるのが特徴。
- スタッドレスタイヤ
氷雪上で用いるタイヤ。1980年までは、スパイクタイヤが用いられていたが、舗装路を削ることによって粉塵が発生し環境問題へと発展、世界的に廃止された。このことにより、スタッドレスタイヤが登場した。スパイク(スタッド)を用いないことからスタッドレスタイヤと呼ぶ。
スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べ溝が深く、雪や氷を噛みやすい構造になっている。- スパイクタイヤ
氷雪上で使用されるタイヤ。トレッドに金属や硬質状のスパイクを埋め込み、グリップ力を高めている。舗装路を傷つけ粉塵が発生し、環境に悪影響を及ぼすことから世界的に規制されている。日本では現在は販売されていない。
- スピンナーホイール
スピンナーホイールとは、ホイールの上から装着するプロペラのような飾りのこと。ホイールの真ん中で固定され、ホイールの回転とは関係なく遠心力で独立して回転するので、信号待ちなどで車が止まっている時でもホイールがクルクル回転する。
- スポイラー
スポイラーとは、ボディの前後に装着して、車体にはたらく空力特性を向上させるエアロパーツ。
- スポコン
スポコンとは、スポーツコンパクトの略称で、アメリカ西海岸が発祥で、主にスポーティな日本車をベースに派手なボディーカラーや内装、オーディオ、モニター、ネオンなどファッション性の高いチューニングをした車のことを指す。
- スムージング
スムージングとは、パテや鉄板などを使って、ボディの凸凹を埋め、スムーズな表面を作る手法。
「せ」から始まる車の用語
- 制動距離
ドライバーがブレーキペダルを踏み込んでブレーキが効きはじめた瞬間から停止するまでに車が進む距離のこと。この距離に、ドライバーが危険を感じてからブレーキを踏むまでの空走距離を加えたものを、停止距離という。
- 制動力
タイヤと路面の摩擦力のこと。通常はブレーキをかけると前輪の荷重が増えて後輪の荷重が減るので、フロントに強くブレーキがかかるように制動力が一定の割合で配分されている。
- セミオートマ
セミオートマとは、クラッチを自動化することで、クラッチペダルを無くしたマニュアルトランスミッションのこと。シフトレバーを前後に動かすか、ステアリングに埋め込まれたボタンを押すだけでギヤチェンジが行われる。
- セルモーター
バッテリーの電源を使って、エンジンを始動するモーターのこと。
- 全高
空車状態で、地面より最も高い位置の寸法。
- センターコンソール
運転席と助手席の間のダッシュボードからフロアまでの部分で、通常エアコンパネル・オーディオシステム・サブメーター・カーナビ画面・灰皿などが収められている部分。
- 全長
車両の一番前から一番後ろまでの寸法。但し、 SUV車などで後ろに背負っているスペアタイヤ本体は、全長に含まれない。
- 全負荷・部分負荷
全負荷:そのエンジン回転でもっともトルク(出力)が出る点。
部分負荷:エンジン回転で全負荷のトルク(出力)を出さない点。- 全幅
車の最も広い横幅の寸法。但し、ドアミラーの出っ張り部分は全幅に含まれない。
「そ」から始まる車の用語
- 走行性能曲線
その車のアクセル全開時に出せる各ギヤ別の駆動力をスピードと走行抵抗を加味して表したグラフ。通常各ギヤの回転数当りのスピード(直線)も併記する。横軸に車速、縦軸にシフト毎のエンジン回転数とタイヤの駆動力が、さらに路面勾配毎に走行抵抗が示されている。これらのグラフから各シフト位置でのエンジン回転数と動力性能、最高速度、登坂性能、加速能力などが読み取れる。
- 層状燃焼
エンジンの燃焼室内に送り込まれる混合気(空気と撚料が混じったもの)に、意図的に濃淡をつけて、そこでの燃焼を活発に行われる部分と不活発な部分に多層化すること。
- 層流燃焼
層状混合気による燃焼のこと。層状混合気は濃い混合気と薄い混合気を層状にシリンダ内につくり、全体としては薄い混合気により燃焼を速やかに行うもの。
- ソレノイドバルブ
電磁弁。電気の力で流体(エアも含む)が開閉する弁。